金型は誰のものか

美顔器製造における三つの標準的な金型の取り決め、それぞれが出口にとって何を意味するのか、そして契約書に書くべきこと。

2026年11月1日 · 4 分で読めます

この問いが出口を決める

金型は、機器開発で唯一資本資産になる部分です。電子設計はコピーでき、ファームは書き直せ、包装は刷り直せます。金型はできません。貴社の製品のために形を刻まれた鋼の塊で、それを誰が持つかが、その製品を他所で作れるかどうかを決めます。

実際には、「金型は誰のものか」の答えが「この供給者から離れられるか」の答えです。購入者は何か月も単価交渉をして、この問いを一度もせず、2 年目に「工場を変えるには金型代をもう一度払う」と気づきます。

三つの取り決め

1. 工場が金型を所有し、費用は単価に含まれる

プライベートブランドと ODM プラットフォームで一般的です。前払いはなく、工場が貴社の数量に金型を償却します。

  • 離れるときのコスト: 何も持ち出せません。製品は工場に残ります。
  • 妥当な場面: 製品を所有するのではなく、プラットフォームを買う場合。
  • 注意点: 金型が独立した項目として存在しない見積書の「金型込み」という表現。貴社は機器の顧客であり、機器の所有者ではありません。

2. 貴社が金型を所有し、工場が保管する

金型を独立した項目として支払い、契約に「金型は貴社の財産であり、貴社の生産のために工場で保管する」と書きます。OEM で最も一般的な形です。

  • 離れるときのコスト: 型を物理的に移す費用と、新しい成形業者での再認定。
  • 注意点: 「所有権は貴社」と書きながら「持ち出せる」とは書いていない契約。持ち出せない所有権は飾りです。

3. 貴社が金型を所有し、第三者の成形業者が保管する

金型は独立した成形専門工場で作られ保管され、組立側はそこから成形品を買います。

  • 離れるときのコスト: 組立工程は低く、成形工程は依然として高い。
  • 妥当な場面: 特殊な成形業者が必要な場合、あるいは組立と金型を意図的に別の手に置きたい場合。

「所有」に含まれるべきもの

金型の所有は一つの権利ではありません。五つあり、最初の一つで止まっている契約はほとんど価値がありません。

  1. 所有権 — 金型が貴社の財産であり、資産として記載される
  2. 工場での保管 — どこに保管され、誰がアクセスできるか
  3. 持ち出し — 条件なしに、要求すれば持ち出せる権利
  4. 移管 — 別の成形業者に使わせる権利
  5. 書類 — 2D / 3D の金型図面、鋼材証明、メンテナンス履歴、ショット数

購入者が忘れるのは 5 番目です。図面のない金型は、維持しにくく、修理しにくく、新しい成形業者が引き継ぎにくい。図面一式は、離れたいと思ったときではなく、金型の検収時に求めてください。

「無償金型」という話

無償で金型を出すという申し出は、貴社の製品を抱え込みたいという申し出です。それ自体が悪い取引とは限りません。

  • 数量コミットメントが、どのみち出す予定だった数量であること
  • コミットメント達成後に金型がどうなるかが契約にあること
  • 後から買い取る道筋と、その価格が明示されていること

悪い取引になるのは、無償金型が理由で動けなくなり、買い取り価格の話が「出たい」と言った後にしか出てこない場合です。

この取り決めの正直な形はこうです。単価に上乗せして金型を支払い、数量のしきい値に達するまで所有権は工場にある。 この言葉で書面化を求めてください。書かないなら、それは見かけどおりの取引ではありません。

償却:台数に分散して金型を払う

一括ではなく、最初の N 台に分散して金型を払う方式は正当で、多くの場合便利です。ただし三つを書面にしてください。

  1. 金型の総額 — 「込み」ではなく数字で
  2. 何台で償却するか
  3. 予定より少ない台数しか発注しなかった場合 — 残債の扱いと、その時点で金型が貴社に移るか

3 番目がないと、中止になった案件で、金型代の一部を払ったのに何も所有していない状態になります。

契約書に書くこと

実際に貴社を守る金型条項はこれです。

  • 特定 — 金型を部品名と番号で一つずつ列挙する
  • 金額 — 型ごとの総額と、検収に紐づけた支払いスケジュール
  • 検収 — 何をもって検収とするか。サンプル寸法、外観基準、サイクルタイム、キャビティ数
  • 所有権と移管 — 貴社の財産であり、要求により持ち出し可能、図面とともに移管可能
  • 保管 — 生産が止まった場合の保管費用の負担者と期間
  • 買い取り — 工場が所有権を持つ場合の、明示された価格
  • 保守 — 誰が保守し、修理費を誰が負担し、何が交換の引き金になるか
  • 関係終了時 — 引き渡しの手順と期間。型を送る前の最終生産を含む

実務的なテスト

金型代を払う前に、これを書面で聞いてください。

「2 年後にこの製品を別の工場へ移したい場合、いくら払い、何を受け取り、どのくらいかかりますか。」

正常な取り決めの供給者は 3 文で答えます。貴社の製品を抱え込むことが事業モデルになっている供給者は、話題を変えるか、問いを無意味にする数字を出します。

どちらの答えも有用です。二つ目は、その単価が実際に何を買っているのかを教えてくれます。

当社の扱い

金型は独立した項目として、独自の検収基準とともに見積ります。所有権は購入者にあります。検収時に金型図面一式をお渡しし、顧客が型の移管を望む場合はお渡しします。金型でつなぎ止める関係は、維持する価値のない関係だからです。

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